横浜市青葉区のマンションで塩ビシート機械固定工法の防水工事

前回のブログの続きです。
横浜市青葉区のマンションから屋上の防水工事をご依頼いただき、床の状態によって2種
類の防水工事を行いました。

前回は、塩ビシートの上に重ねて施工できるウレタン防水「ES工法」をご紹介しました。
今回は、塩ビシートの機械的固定工法についてお伝えします。

目次

床面の状態によって変わる屋上の防水工事

屋上の防水工事は、床面の状態によって大きく変わります。
こちらのマンションの屋上は、建物の形状でいくつかのブロックに分かれていました。
そのうちの一つは、オーナー様がガーデニングをされていた場所で、それ以外は人が立ち入
らない屋上です。

立ち入らないエリアには、塩ビシート防水の上にウレタン防水材を重ねるES工法を施工し
ました。
一方、オーナー様がガーデニングをされていた箇所は、防水面の強度と下地の状態を考慮し
て塩ビシートの機械固定工法で施工することに。

なぜこの場所だけ機械固定工法になったのか、以下で詳しく説明します。

実はオーナー様がガーデニングをしていた床面には、ゴム製のシートが接着剤を使って貼ら
れていました。
写真に写っている茶色の床面が、ゴムシートです。
撤去しようとすると、下の塩ビシート防水まで一緒に剥がれてしまう状態でした。

このような状況では、塩ビシートの状態が悪いため、塩ビシートの上に重ねるウレタン防水
のES工法はできません。
塩ビシート防水を行う場合も、ゴムシートや穴の開いた塩ビシート、絶縁シートなどをすべ
て取り除いてから行う必要があります。

ここで、屋上の防水工事や床面の改修をご検討中の方にお伝えしたいことがあります。
塩ビシート防水の上に接着剤を使って床材を貼るのは、できれば避けていただいた方が安心
でしょう。
理由は、上記で触れたようにウレタン防水を重ねることができないことに加え、塩ビシート
防水自体も重ねて施工できなくなってしまうためです。

通常、塩ビシート防水は1回だけ同じシートを重ねて施工できます。
しかし、機械固定工法の場合、重ねる部分では上のシートと下のシートを同じディスク(円
盤状の固定具)で一緒に固定することが必要です。

上に別の床材が貼られていると、ディスクの位置がわかりにくくなり、固定する場所
がずれてしまいます。
位置がずれてしまうと、シートがしっかり固定されず、雨漏りの原因になったり、強風でシ
ートがめくれたりするリスクが高まります。

ご自宅の屋上が塩ビシート防水やウレタン防水の場合、追加工事の方法には十分ご注意くだ
さい。
今後のメンテナンスのしやすさも考えて工事を選ぶことで、長期的に費用を抑えることがで
きます。

塩ビシートの機械固定工法とウレタン防水のハイブリッド工事

屋上には、増築した小屋がありました。
物置ではなく、玄関扉と掃き出し窓がついた小さな建物です。
この小屋の建ち上がり部分は塩ビシートの施工が難しいため、ウレタン防水で仕上げ、塩ビ
シートとウレタン防水を組み合わせたハイブリッド工事を行います。

施工の流れは以下の通りです。
まず茶色のゴムシートを剥がし、次に下の塩ビシートを剥がします。
塩ビシートの下には土汚れがあり、ゴムシートに引っ張られて塩ビシートに穴が開き、土が
入り込んでいたようです。

続いて絶縁シートを剥がすと、元のウレタン面が出てきました。

パラペットの立ち上がり部分も塩ビシートを剥がします。

塩ビシートの端末処理である金物を外し、密着工法で貼られていた塩ビシートを剥がしまし
た。

その後、壁面に残ったボンドのケレンを行います。

ボンドの除去後、カチオン系の下地調整剤を塗布します。
下地調整剤は、凸凹やピンホールを平滑に整えるために塗り、基本は薄塗りです(下地の状
態が悪い場合は2回塗ることもあります)。

床面にも下地調整剤を塗布しました。
立ち上がりは接着剤の密着性を高めることが目的ですが、床面は機械固定工法のため、主に
平滑にするのが目的です。

その後、床面全体に絶縁シートを張ります。繋ぎ目は突きつけで、上から絶縁シート専用の
テープを貼って処理します。

次に床全体にディスクを打ち込みました。ディスクは躯体に直接ドリルで穴を開けて固定し
、450mm〜600mm間隔で設置します。
ディスクの固定が終わったら、ディスクを覆うように塩ビシートを敷きます。

シートの繋ぎ目は重ね張りで、接着剤を塗って貼り合わせ(溶剤溶着)し、ディスク部分は
熱を加えて圧着(熱融着)をしました。

機械固定の場合、塩ビシートはディスク部分だけで固定し、全体的に元の床材と貼り付ける
ことはしません。
そのため、元の床材の干渉を受けることが少なくなります。

関連動画

床面を隅々まで塩ビシートで敷き詰めたら、パラペットの立ち上がり部分にも塩ビシートを
貼り込みます。
こちらも溶剤溶着で施工し、床面と40mm以上重ねて強度を確保します。

端末はローラーとライスターを使って熱融着でしっかり密着させ、最後に金物で端末処理を
しました。

塩ビシート用のシーリング材で目地部分を仕上げ、立ち上がり部分の施工は完了です。

最後に、小屋の架台部分にウレタン防水を施します。プライマーを塗布した後、通常のウレ
タン防水と同じく防水材を2回塗布し、トップコートで仕上げました。

架台部分から延長するように、塩ビシートの上にもプライマーとウレタン材を塗っています

これで全ての工事が完了です。
写真のような狭い隙間でも、人が入れる場合は機械固定工法が可能です。

完成した屋上は、機械固定工法特有の等間隔のディスク跡が見られます。

このディスクによって塩ビシートがしっかり固定され、ウレタン防水よりも耐用年数が長く
なります。

屋上の床面によって適切な工法を選ぶ大切さ

前回のブログではウレタン防水のES工法、今回は塩ビシート防水の機械固定工法をご紹介
しました。
屋上は建物の最も重要な防水部分です。床面の状態に合わせた適切な工法を選ぶことが、防
水効果の寿命を延ばすために何より大切です。


今回、マンションのオーナー様はこまめにメンテナンスをされていましたので、大規模な補
修工事は必要ありませんでした。
また、植木鉢の撤去などにもご協力いただいたので、非常にスムーズに工事を進めることが
できました。

塗装職人では、床の状態に合わせた防水工事をご提案しています。
その際は現在の状態だけでなく、今後のメンテナンスも見据えた長期的なプランをお伝えし
ます。

目次