横浜市都筑区 ベランダの雨漏り対策!ウレタン塗膜防水工事の流れ その1

横浜市都筑区の二階建て住宅のベランダで、ウレタン塗膜防水工事を行いました。今回の施工では、既存の防水層が保護モルタルの下にシート系防水として施工されていましたが、経年劣化によって雨漏りが発生している状態でした。

特にベランダのパーテーションの位置が高すぎるために水の流れが滞りやすく、排水がスムーズに行われていないことが問題でした。その結果、排水口周辺に水が溜まりやすく、防水層の劣化が進んでいました。

また、縦型ドレンの排水機能も低下しており、ここからも漏水のリスクが高まっていました。これらの問題を解決し、ベランダの防水機能を回復させるために、まずは下地処理を中心とした作業を行いました。

目次

施工前の問題点と原因の確認

ベランダは外部に面しているため、雨水や紫外線の影響を直接受けやすい環境です。今回の現場では、いくつかの問題点が見つかりました。最も大きな問題は、ベランダのパーテーションの位置が通常よりも高く、雨水の流れを妨げていたことでした。

ベランダの防水は、勾配をつけて排水口に向かって水がスムーズに流れるよう設計されています。しかし、パーテーションが排水の邪魔をしてしまい、水たまりが発生しやすい構造になっていました。その影響で、防水層に負担がかかり劣化が進んでいました。

さらに、排水口に設置されている縦型ドレンの状態も確認しました。ドレン周辺は防水層が特に傷みやすい部分です。排水不良が続くと、防水層とドレンの接合部分に隙間ができ、そこから水が浸入することで雨漏りが発生します。今回の現場でも、ドレン周りの防水層に劣化が見られたため、適切な補修が必要でした。

ケレン清掃による下地処理の準備

防水工事では、下地の状態が仕上がりに大きく影響します。どれだけ高品質な防水材を使用しても、下地の処理が不十分だと防水層が剥がれたり、浮きが発生したりする原因になります。そのため、まずはケレン作業を行い、既存の下地を整えました。

ケレン作業では、ワイヤーブラシやサンダーを使って古くなった防水層やモルタルの表面を削り取りました。この作業によって、表面の汚れや浮き上がったモルタルを除去し、新しい防水層がしっかりと密着するようにしました。また、ケレン後はブロワーやほうきを使用し、細かい粉塵を取り除いて清掃を徹底しました。

ベランダ防水 ケレン清掃

モルタル下地のプライマー塗布

今回の現場では、既存の下地が洗浄できない状態だったため、新たにモルタルを塗ることで下地を作る方法を選択しました。しかし、モルタルをそのまま塗布すると、下地との密着が弱くなるため、プライマーを塗布する必要があります。

プライマーには、モルタルの吸水を抑えて密着性を向上させる役割があります。また、施工時に発生するピンホール(微細な穴)を防ぐ効果もあります。ピンホールが発生すると、防水層に隙間ができ、施工後に防水性能が低下してしまいます。そこで、プライマーを均一に塗布し、モルタルがしっかりと密着するようにしました。

今回は、水で薄めたのりをプライマーとして使用し、ローラーで均一に塗布しました。端部や細かい部分は刷毛を使い、塗り残しがないように注意しました。この工程を丁寧に行うことで、モルタルの密着性を確保し、防水層の仕上がりを向上させることができます。

ベランダ防水プライマー塗布

縦型ドレンの排水ドレン交換

プライマー塗布後、ドレンの状態を再確認し、既存の縦型ドレンを交換する作業を行いました。ドレンはベランダの排水において重要な役割を果たしており、劣化したままでは雨水の排出が適切に行われず、防水層の劣化や雨漏りの原因となります。

まず、既存のドレンを慎重に取り外し、周囲の下地の状態を確認しました。新しい縦型ドレンを設置するための下地処理を行い、防水層とドレンの一体化を確実にするためにシーリング材を使用しました。

新しいドレンは、耐久性の高い素材を使用し、排水能力を向上させる設計のものを選定しました。設置後、防水層との密着性を高めるためにプライマーを再度塗布し、次のモルタル下地作成の工程へと進みました。

モルタルのコテ塗りと二度塗りによる下地調整

プライマーが乾燥した後、コテを使用してモルタルを均一に塗布しました。今回は下地の凹凸が大きかったため、一度塗りでは十分な平滑性が確保できない可能性がありました。そのため、二度塗りを行い、下地の強度と平滑性を向上させました。

一度目のモルタル塗布では、まず半分の範囲を塗り、しっかりと押さえながら施工しました。モルタルの厚みを均一に保つことで、次の工程での防水層の密着が良くなります。モルタルを一度塗り終えた後は、十分に乾燥させる時間を確保しました。乾燥が不十分な状態で次の工程に進むと、モルタルの収縮によるひび割れが発生しやすくなるため、ここは慎重に管理しました。

ここで防水職人の下地補修の様子をご紹介します。一つひとつの工程を丁寧に行っていきます。ぜひ合わせてご覧いただければと思います。

まとめ

今回の工事では、既存の防水層が劣化し、排水の問題によって雨漏りが発生していたため、適切な下地処理を行いました。まずはケレン清掃によって汚れや劣化部分を取り除き、その後、モルタル下地を形成するためにプライマーを塗布しました。モルタルを一層だけでなく二度塗りすることで、より強固な下地を作り、防水層の密着性を向上させました。

下地処理は防水工事において最も重要な工程の一つです。適切な下地処理を行うことで、防水層がしっかりと密着し、長期間にわたって耐久性のある仕上がりになります。今回の施工では、特にモルタルの吸水や乾燥時間に注意しながら作業を進めました。

次回の後編では、ウレタン防水の施工から完了までの工程を詳しく解説します。防水のことで気になることがありましたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。お客様に最適な工事のご提案をさせていただきます。


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