屋上ゴムシート防水の劣化と改修工事|その3

今回は、前回に引き続き横浜市保土ヶ谷区にある3階建て建物の屋上防水工事についてご紹介します。既存の防水層はゴムシート防水ですが、経年劣化により防水機能が低下しているため、新たにウレタン塗膜防水通気緩衝工法を施工しました。

特に今回の施工では、脱気筒の設置と補強クロス貼り、ウレタン防水の塗布工程に焦点を当て、施工の詳細を解説します。

目次

施工前の状態と工法選定のポイント

現地調査の結果、既存のゴムシート防水は経年劣化が進み、シートの浮きやジョイント部分の剥がれが見受けられました。また、シート下に水分が滞留している可能性が高く、このままでは防水性能を維持できない状態でした。

このような状況では、通気性を確保しながら新たに防水層を形成できる「ウレタン塗膜防水通気緩衝工法」が最適です。この工法は、防水層内部にこもる湿気を効率よく逃がし、防水層の膨れや剥がれを防ぐことが期待できます。

脱気筒の設置と補強クロス貼り

屋上防水のカギを握る「脱気筒」の設置

今回の施工で特に重要なのが、脱気筒の設置です。防水工事を行う際、下地に水分が残ったままだと、時間の経過とともに水蒸気となり、防水層を内側から押し上げてしまいます。これが「膨れ」と呼ばれる現象で、防水層が浮き上がり、結果的に劣化を早めてしまう原因になります。

この膨れを防ぐために設置するのが脱気筒です。脱気筒は、屋上の最も高い位置に配置し、内部の湿気を外へ逃がす役割を果たします。脱気筒が適切に機能することで、防水層内部の水蒸気をスムーズに排出し、長期間にわたって防水性能を維持できるのです。

補強クロス貼りの工程

設置後は、脱気筒の周囲に補強クロスを貼り付け、しっかりと固定します。さらに、AV W(プライマー)をクロスに擦り付けるように塗布し、密着性を高めました。この補強クロスがあることで、脱気筒周辺の防水層がより強固になり、ひび割れや剥がれを防ぐことができます。

AV W(プライマー)をマットの穴に擦り付けるように塗布しながら、補強クロスをしっかりと密着させることがポイントです。プライマーの役割は、下地と補強クロスの接着を高め、耐久性を向上させることです。施工不良を防ぐために、ムラなく均一に塗布し、十分な乾燥時間を確保しました。

ウレタン塗膜防水の「1層目」を施工

プライマーが十分に乾燥したら、いよいよウレタン塗膜防水の1層目を塗布します。ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布することで、防水層を形成する工法です。塗膜が完全に乾くと、弾性のある防水層が形成され、下地の動きにも追従できる柔軟な仕上がりになります。

今回の施工では、金鏝とローラーを併用してウレタンを塗布しました。金鏝(かなごて)を使ってウレタンを押さえ込むように塗り、膜厚を一定にする。

特に、端部や立ち上がり部分は塗膜が薄くなりやすいため、丁寧にウレタンを塗り重ね、十分な厚みを確保しました。

ウレタン防水「2層目」で防水性を強化

1層目のウレタンが乾燥したら、次に2層目のウレタン塗布を行います。この2層目を塗ることで、膜厚が確保され、防水性能がさらに向上します。

2層目の塗布も1層目と同じように、金鏝とローラーを使って均一に仕上げます。特に気をつけるべきポイントは、1層目との「密着性」です。しっかりと乾燥していない状態で2層目を塗布すると、内部に気泡が入り、耐久性が低下する可能性があるため、慎重に作業を進めました。

仕上げの「トップコート塗布」で耐久性を向上

ウレタン防水の塗布が完了したら、最後にトップコートを塗布します。トップコートは、防水層を紫外線や摩耗から守る役割を持ち、仕上がりの美観を向上させる重要な工程です。

今回の施工では、9インチのローラーにナガエを付けて塗布しました。

また、塗布する際の注意点としては、均一な厚みになるようにローラーで丁寧に仕上げること、乾燥ムラを防ぐため、天候や気温を考慮しながら作業を進めることに気を付けます。

トップコートを塗布することで、防水層がより強固になり、長期間にわたって耐久性を保つことができます。

施工完了後の屋上は、見違えるほど綺麗な仕上がりに

施工が完了した屋上は、ウレタン塗膜がしっかりと密着し、まるで新品のような状態になりました。施工前は浮きや剥がれが目立っていた屋上も、防水層が再構築されたことで、雨漏りのリスクが大幅に軽減されました。

ウレタン塗膜防水通気緩衝工法は、既存の防水層の状態に関わらず、通気性を確保しながら新たな防水層を形成できるため、改修工事に最適な工法です。

特に、今回のように既存のゴムシート防水が劣化している場合でも、ウレタン塗膜防水を適切に施工することで、耐久性の高い防水層を構築することが可能です。

防水工事は定期的なメンテナンスを行うことで、雨漏りを防ぎ建物の劣化を遅らせることが期待できます。お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。


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