築27年のALC屋上を強化!神奈川区での施工事例を解説 

神奈川区にある築27年の建物で、ALCパネルの屋上防水工事を実施しました。長年の紫外線や雨風の影響で、防水層の劣化に加え、ALC特有のクラックや欠損が発生していました。

防水工事を成功させるためには、シーリングの適切な施工が欠かせません。特に、下地の処理を正しく行わなければ、防水効果が十分に発揮されず、早期の劣化を招く可能性があります。その下地処理において重要な役割を果たすのが「バッカー(丸棒)」です。

今回は、防水工事の現場で欠かせない「バッカー(丸棒)」を使用したシーリング下地の作り方について詳しく解説します。施工の目的や手順、適切な材料の選定方法など、専門的な視点からご紹介していきます。

目次

バッカーとは?防水工事における重要な役割

防水工事では、シーリング材を目地(継ぎ目)に充填して、建物内部への水の侵入を防ぎます。しかし、目地が深すぎたり、適切な施工が行われていなかったりすると、シーリングがひび割れたり剥がれたりする原因になります。そこで、シーリング材の下地として使われるのが「バッカー(丸棒)」です。

バッカーは、発泡ポリエチレンなどの柔らかい素材でできた丸い棒状の副資材で、以下のような役割を果たします。

1. シーリングの厚みを均一にする

シーリング材が均一な厚みで施工されていないと、部分的にひび割れたり、十分な伸縮性を確保できなくなります。バッカーを入れることで、適切な厚み(目地幅の1/2程度)を保つことができます。

2. 三面接着を防ぐ

シーリング材は、目地の両側(左右の壁面)だけに接着させる「二面接着」が理想です。しかし、バッカーがないと目地の底面にも接着し、建物の動きに追従できず、ひび割れが発生しやすくなります。バッカーを入れることで、三面接着を防ぎ、シーリング材が適切に伸縮できるようになります。

3. シーリング材の無駄を減らす

バッカーなしで施工すると、目地の奥深くまでシーリング材を充填することになり、材料の使用量が増えてしまいます。バッカーを入れることで、シーリング材の無駄を省き、コストを抑えることができます。

既存エラスタイト撤去の様子

バッカーを使用したシーリング下地の作り方

施工前の準備

施工前に、目地の状態をしっかりと確認し、適切な下地処理を行います。

  • 目地内のゴミやホコリを除去する(エアブローやブラシを使う)
  • ひび割れや欠損がある場合は補修する(モルタルやエラスタイトを使用)

この工程を怠ると、シーリング材がしっかりと密着せず、施工後に剥がれる原因となります。

施工計画によるプライマーの先行塗布

通常、バッカーを入れた後にプライマーを塗布しますが、施工計画によっては プライマーを先に塗布する こともあります。

先にプライマーを塗る理由

  • バッカーのズレを防ぐ(先に接着性を高めることで固定しやすくなる)
  • 大面積の施工を効率的に進める(先行塗布することで作業をスムーズにする)
  • 下地への密着性を向上させる(ALCやコンクリート目地では、先に塗ることで安定しやすい)

プライマーの塗布方法

  • 刷毛やローラーを使い、目地の側面に均一に塗布する
  • 塗布後は、メーカー指定の乾燥時間を守る(早すぎると密着不良の原因になる)
※今回の現場では施工計画により先行プライマー塗布をいたしました。

バッカー材の設置

バッカー材は目地の底上げを行い、シーリング材の適切な厚みを確保するために使用されます。この工程を適切に行うことで、シーリング材のムラを防ぎ、均一な防水層を作ることができます。

また、バッカー材を使用することで、シーリング材が過剰に流れ込むのを防ぎ、適正な量を維持することが可能になります。

シーリング材の充填

バッカー材の設置が完了したら、シーリング材を目地に充填します。シーリング材の充填は、隙間なく均一に行うことが重要です。ヘラを使ってしっかり押さえ込むことで、密着性を向上させ、施工後の防水性能を確保します。

シーリング材の種類によって乾燥時間が異なりますが、通常は24時間から48時間ほどかけて完全に硬化します。硬化が不十分な状態で次の工程に進むと、防水性能が低下するため、十分な時間を確保することが必要です。

施工後の仕上がりと耐久性向上のポイント

施工後の仕上がりが美しく、長持ちするかどうかは、ちょっとしたポイントを押さえるかどうかで決まります。

仕上がりのチェックポイント
・シーリングの表面がなめらかになっているか
・バッカーがしっかりと目地内に収まっているか
・シーリング材が均等に充填されているか
・仕上がりが均一であれば、雨水が溜まりにくく、防水性が長持ちします。

耐久性を上げるためのひと工夫
防水工事を長持ちさせるためには、施工時の環境にも注意が必要です。

・気温5℃~35℃の範囲で施工する(極端な温度では硬化不良を起こす)
・湿度が高すぎる日は施工を避ける(湿度80%以上では硬化に影響が出る)
・施工後は24時間以上、完全硬化には48時間養生する(乾燥時間を守ることで剥がれにくくなる)
こうしたポイントを押さえながら施工することで、防水性と耐久性を確保できます。

伸縮目地シーリングの工程作業を動画にまとめました。どうぞ合わせてご覧ください。

まとめ

バッカー(丸棒)は、防水工事においてシーリング材の施工品質を左右する重要な資材です。適切に使用することで、防水効果を高め、ひび割れや剥がれを防ぐことができます。

また、施工計画によって プライマーを先に塗布する方法 を採用することで、作業効率や仕上がりを向上させることも可能です。

防水工事を検討している方や、施工品質を高めたい方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

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