屋上からの水漏れを防ぐ 横浜市保土ケ谷区で実施したウレタン防水工事の施工事例
今回ご紹介するのは、築43年を迎えた横浜市保土ヶ谷区の2階建て建物における、屋上防水改修工事の事例です。年数を経た建物では、屋上からの漏水や防水層の劣化が顕著になりやすく、今回も例外ではありませんでした。
既存の防水層はゴムシート防水で施工されていましたが、経年劣化によって捲れや浮きが発生し、早急な対応が必要な状態でした。そこで今回採用したのは、下地の湿気を効率よく逃がすウレタン塗膜防水通気緩衝工法。改修工法として非常に信頼性が高い方法です。
長年の風雨に耐えたゴムシート防水の限界
築43年の建物ということで、今回の屋上には過去に何度か補修が施された形跡も見受けられました。しかし、ゴムシート自体の硬化や接着不良、端部からの捲れなど、全体的な劣化が進行しており、部分的な補修では対応しきれない状態でした。
まずは既存防水層を全面撤去し、下地の状態を正確に調査するところから工事をスタートしました。撤去作業では、手工具や電動スクレーパーを用いて丁寧にシートを剥がし、下地のコンクリートや合板の傷み具合を確認します。
築年数が経っている建物ほど、この「下地の見極め」が極めて重要になります。
下地補修で築年数によるダメージをリセット
撤去後の下地には、長年の雨水侵入によって木材の腐食やコンクリートの中性化が進んでいる箇所がありました。このまま防水施工を行っても、密着不良や再劣化の原因となってしまいます。
そこで、ひび割れ部分にはシーリング材を充填し、不陸(凹凸)には下地調整材を使用して平滑な面をつくります。築43年という年月が与えたダメージをしっかりと補修し、「防水が効く下地」を整えることが防水改修成功の鍵となります。



通気緩衝シートで湿気を逃がし、再劣化を防止
下地が整ったら、まずはプライマーを塗布して防水材の密着性を高めます。その後、通気緩衝シートを敷設します。これは、下地内の湿気を逃がすための専用シートで、築年数が経過した建物には特に有効です。
内部に残った水分や湿気を自然に逃がすことで、ウレタン塗膜の膨れや浮きを防ぎ、長期的な防水性能を確保することができます。屋上全体に丁寧にシートを敷き込み、通気層を確実に確保した状態で次の工程に進みます。

立ち上がり部の補強で漏水リスクを最小限に
屋上防水では、平面部よりも立ち上がりや隅部が劣化しやすく、特に築年数が経っている場合はその傾向が強くなります。今回の工事でも、立ち上がり部には動きに追従するよう、補強クロスを貼り込みながら補強処理を行いました。
角の部分は力がかかりやすいため、専用の補強材を使用して強度を高めつつ、ウレタン塗膜の一体化を図ります。こうした細部への配慮が、築年数がある建物でも漏水リスクを最小限に抑えるポイントとなります。


ウレタン塗膜の2層仕上げで強固な防水層を形成
主防水層となるウレタン樹脂を、1層目、2層目と二度に分けて塗布します。1層目は通気シートにしっかりと絡ませながら均一に塗り広げ、乾燥後に2層目を重ねることで、十分な膜厚を確保します。
この「二重の防水層」が、築43年の建物に対して新たな防水性能を与え、安心して使い続けられる状態をつくります。ローラーやゴムベラを使い分けながら、隅々まで丁寧に塗布することで、見た目も滑らかで美しい仕上がりとなりました。


トップコートで仕上げ、美観と耐久性をプラス
最後に、紫外線や風雨からウレタン防水層を保護するためのトップコートを塗布します。この工程は、防水層の耐久性を維持し、長く機能させるためには欠かせません。
特に築年数が経った建物では、こうした「保護層」の役割がとても重要になります。塗布後には最終確認を行い、塗りムラや未施工箇所がないかを徹底チェック。ドレンまわりや端部の仕上がりも細かく確認し、安心できる仕上がりで工事を完了しました。


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適切な防水改修で再生できる
今回の屋上防水改修工事では、築43年という建物の歴史を考慮しながら、最適な工法であるウレタン塗膜防水通気緩衝工法を採用しました。
下地の補修から通気対策、防水層の二重仕上げ、トップコートまで丁寧に施工を行うことで、老朽化した屋上も見違えるように再生されました。
お施主様からも「見た目もきれいになり、これで安心して過ごせる」とのお声をいただきました。築年数が経過している建物こそ、早めの防水改修が建物全体の寿命を延ばすポイントとなります。
弊社では、築年数や建物の構造に合わせた防水工事を数多く手がけております。「うちもそろそろかな?」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
