雨漏りに悩む施主様の想いと、屋上防水改修工事への第一歩 その5

今回の現場は、神奈川県海老名市の築30年・ALC3階建ての屋上防水工事の続きになります。

防水工事といえば、「シートを貼れば大丈夫」と思われがちですが、実はそんなに単純なものではありません。特に大事なのが「排水」と「通気」です。

雨水をきちんと流すための「ドレン」と、湿気を逃がして防水層を長持ちさせる「脱気筒」。この2つがしっかり機能しないと、どんなに良い防水材を使っても意味がなくなります。

今回は、このドレンと脱気筒の重要性について深掘りしていきます。メンテナンスを怠るとどうなるのか、正しい施工の必要性についても合わせて解説していきます。

目次

ドレンの役割とは? 〜防水層の命綱〜

屋上には、必ずドレン(排水口)があります。これは、雨水をスムーズに流し、防水層に負担をかけないようにするための設備です。

特にALCの建物は、水を吸いやすいという性質があります。ドレンが正常に機能しないと、雨水の流れが停滞し、建物内部まで水が染み込み、最悪の場合鉄骨部分が錆びてしまうこともあります。

メンテナンスを怠るとどうなる?

・ゴミや落ち葉が詰まり、雨水が流れなくなる

・水たまりができ、防水層の劣化が加速する

・建物内部に漏水し、天井や壁にシミができる

屋上の水はけが悪いと感じたら、ドレンが詰まっている可能性が高いです。半年に1回は清掃と点検を行うのが理想です。

塩ビシート防水には「逆ラップ」仕様のドレンを

今回の現場では、塩ビシート防水専用の「逆ラップ」ドレンを採用しました。

「逆ラップ」とは、水の流れを妨げず、シートの下に水が回り込まないように設計されたドレンのことです。この構造のおかげで、

・水の流れをスムーズに誘導できる

・シートの下に水が入り込むリスクを防げる

・詰まりにくく、メンテナンスがしやすい

排水は「ただ流れるだけ」ではなく、「適切な方向に、確実に流れる」ことが重要です。ドレンの施工が適当だと、防水工事そのものが台無しになってしまうため、正確な勾配と溶着作業が求められます。

脱気筒の役割とは? 〜湿気を逃がす重要な装置〜

もう一つのポイントが脱気筒です。脱気筒は、防水層の下に溜まる湿気を外に逃がすための装置です。

屋上の防水層には、雨水だけでなく、建物内部からの湿気も影響を与えます。特にALCの建物は湿気を吸収しやすいため、防水層の下に水蒸気がこもりやすい特徴があります。

この湿気が逃げ場を失うと、防水層に悪影響を及ぼします。

脱気筒を設置しないとどうなる?

・防水シートが膨れてしまい、剥がれやすくなる

・内部結露が発生し、建物の劣化を早める

・防水層の寿命が短くなり、早期の補修が必要になる

湿気がこもると、シートがボコボコと膨れたり、剥がれたりする原因になります。こうした不具合を防ぐためには、適切な場所に脱気筒を設置し、湿気を確実に逃がすことが大切です。

脱気筒を設置するメリット

・防水シートの膨れを防ぎ、耐久性を向上させる

・内部結露を抑え、建物のダメージを軽減する

・防水層の寿命を延ばし、補修コストを抑える

ドレンと脱気筒を正しく設置することで、防水工事の寿命が決まる

今回の現場では、

・ドレンを「逆ラップ」仕様にし、確実に排水できる構造にする

・脱気筒を適切な位置に設置し、防水層の下の湿気を逃がす

この2つのポイントを徹底しました。

防水工事は、ただシートを貼るだけでは意味がありません。水を適切に流す設計と、湿気を逃がす仕組みがあってこそ、長持ちする防水層が完成します。

こちらに改修用ドレンと脱気筒の取り付け作業動画をご紹介いたします。合わせてご覧ください。

防水工事を長持ちさせるためのメンテナンス

防水工事の仕上がりが完璧でも、施工後のメンテナンスをせずに怠ってしまうと当然劣化は避けられません。

・ドレンの清掃(半年に1回)

→ 落ち葉やゴミを取り除き、排水機能を維持

・脱気筒周りのチェック(年1回)

→ ひび割れや破損がないか確認

・屋上全体の点検(5〜10年ごと)

→ 防水層の浮きや剥がれがないか、専門業者に点検を依頼

このような定期点検をしっかり行うことで、防水層の寿命を延ばすことにも繋がります。

まとめ

防水工事は、見えない部分こそが重要。
「排水の確保」と「湿気のコントロール」が、長寿命化のカギを握ります。

今回の工事では、ドレンの「逆ラップ」仕様と脱気筒の設置が特に重要なポイントでした。
ドレンと脱気筒を適切に施工することで、水が溜まらず、湿気の影響も最小限に抑えられる防水層を実現しました。

防水に関するメンテナンスや工事のわからないことがありましたら、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。

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