雨漏りに悩む施主様の想いと、屋上防水改修工事への第一歩 その3

今回は、神奈川県海老名市で施工した屋上防水工事の続きの工程をご紹介します。建物は築30年のALC構造・3階建てで、既存のゴムシート防水から新しい塩ビシート防水へ改修しました。この中でも特に、工事全体の要とも言える「塩ビ被覆鋼板設置」の工程について深堀りしていきたいと思います。

防水工事においては、立上り部分や端部の処理が仕上がりを左右する重要なポイントとなります。塩ビ被覆鋼板は、そうした場所で防水シートの端をしっかりと固定し、長期間の防水性能を確保するために欠かせない部材です。それでは、現場での具体的な施工手順を見ていきましょう。

目次

現場準備と塩ビ被覆鋼板設置の計画

塩ビ被覆鋼板の設置は、防水工事の中でも精密な計画が求められる工程です。まずは現場を調査し、設置箇所の寸法や形状を正確に測定します。特に今回は、立ち上がり部分が複雑な形状であったため、鋼板の加工が必要でした。寸法や形状をミリ単位で測定し、鋼板を正確に設置するための下地処理を進めます。

また、既存のゴムシート防水が劣化していたため、不良箇所を切開して撤去することから始めました。この作業を丁寧に行うことで、新しい防水層をしっかりと密着させる準備が整います。

塩ビ被覆鋼板の設置工程:精度が要求される作業

まずは、加工した塩ビ被覆鋼板を設置箇所に仮置きして位置を調整します。この段階で、鋼板がしっかりと平らに収まるように確認します。仮固定の際には、下地が脆弱な部分がないかをもう一度チェックします。ALC構造の建物では、下地の状況によって施工方法を調整する必要があるため、この段階の判断が非常に重要です。

仮固定が終わった後、ドリルを使って鋼板を固定するための穴を開けます。ALC下地に適した専用ビスを使用し、鋼板をしっかりと固定します。穿孔時には、ビスの間隔を均一に保つことがポイントです。間隔が不均一だと鋼板の浮きやズレの原因となり、防水性能に影響が出てしまいます。職人の手の感覚と経験が問われる工程です。

ビス穴には必ず「液シール」を注入します。これは、ビス穴を通じて水が侵入するのを防ぐための重要な作業です。液シールの注入量やタイミングを誤ると、後々水漏れが発生するリスクが高まります。そのため、慎重に確認しながら作業を進めます。今回も、ビス1本ごとに丁寧に液シールを注入し、防水層全体の耐久性を高めました。

コーナー部分の特別な処理:水が溜まりやすい箇所への配慮

屋上防水において最も水がたまりやすい場所が、平場と立上りが交わるコーナー部分です。この箇所は鋼板の取り付けや防水シートの溶着が複雑になるため、特別な注意が必要です。

コーナー部分では、塩ビ被覆鋼板だけでなく、専用の補強材を使用して強度を高めます。この補強材を用いることで、鋼板とシートの隙間が生じるのを防ぎます。また、コーナーの形状に合わせて鋼板を精密にカットし、立ち上がり部分との密着性を向上させました。

コーナー部分でも、液シールを使った止水処理を徹底しました。さらに、塩ビシートを溶着させることで鋼板との一体化を実現。この仕上がりにより、水がたまりやすいコーナーでも長期間にわたって防水性が保たれる構造が完成しました。

職人の経験が光る細部へのこだわり

塩ビ被覆鋼板の設置は、一見すると単純な作業に思えるかもしれません。しかし、実際には建物の形状や下地の状態に応じて細かな調整が必要となり、職人の経験と技術が求められる工程です。

たとえば、ALC構造の建物では、下地の状態が一様ではないことが多く、鋼板を取り付ける位置や角度を微調整することが求められます。また、立上り部分の鋼板がわずかに傾くと、その後に敷設する防水シートとの隙間が生じ、漏水のリスクが高まります。そのため、すべての鋼板を水平かつ均一に設置するために、職人同士で声を掛け合いながら作業を進めました。

防水工事全体における塩ビ被覆鋼板設置の役割

塩ビ被覆鋼板の設置は、防水工事全体の基盤を形成する重要な工程です。この鋼板が正確に設置されることで、その後の塩ビシート敷設や継ぎ目の溶着がスムーズに進みます。また、防水層全体の強度や耐久性を大きく左右するため、この工程の精度が工事の仕上がりに直結します。

今回の工事でも、この基盤がしっかりと整ったおかげで、塩ビシートの敷設作業も問題なく進めることができました。塩ビ被覆鋼板の設置が成功したことで、立上り部分の防水性能が確保され、建物の長寿命化に大きく貢献できたと自負しています。

塩ビシート防水の施工様子をご紹介しています。合わせてご覧ください。

まとめ

塩ビ被覆鋼板の設置は、防水工事において欠かせない工程の一つです。この工程を丁寧に仕上げることで、防水工事全体の耐久性と性能が大きく向上します。

特に、今回のような築年数が経過した建物では、立ち上がり部分やコーナーの処理が防水性を左右する大きなポイントとなります。

防水工事について何かご相談がありましたら、ぜひお気軽にお声掛けください。

目次