屋上の雨漏りを防ぐ!横浜市港北区のALC造ビルにおけるウレタン塗布防水改修【前編】

防水工事は、建物を雨や湿気から守る「防衛線」です。今回取り組んだ現場は、横浜市港北区にある築年数の経ったALC造3階建てビルの屋上。

既存のウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)が劣化し、剥離や膨れが多数発生していました。このまま放置すれば雨漏りのリスクが高まり、建物全体に影響が出る可能性があります。

職人として、この屋上を完璧な防水層へと蘇らせるべく丁寧に実施しました。この記事では、前編の工程を詳しく解説します。

目次

1. 施工前:既存防水層の状態調査

施工に先立ち、既存防水層の状態を詳しく調査しました。今回の防水層は通気緩衝工法で施工されており、湿気を排出するための通気層が設けられています。しかし、経年劣化により通気層が機能不全を起こし、ウレタン塗膜に穴あきや膨れが発生していました。

ALC造の建物特有の吸水性の高さも加わり、下地が湿気を含んで弱くなっていました。この調査をもとに、劣化箇所を改善しつつ、新たな防水層を構築する計画を立てました。

2. 既存ドレンと架台の確認

屋上防水工事では、排水設備の確認が重要です。既存のドレンを確認したところ、老朽化が進んでおり、改修用ドレンが未設置でした。このままでは排水機能が十分に果たせず、雨水が防水層に溜まりやすい状態でした。

また、屋上に設置された架台が防水層を傷つけている箇所があり、これらの問題点を踏まえ、改修用ドレンの設置や架台周辺の補強を施工計画に組み込みました。

3. ケレン清掃:劣化した部分の除去

施工初日に行ったのは、「ケレン清掃」という工程です。これは、既存防水層の膨れや剥がれた部分を工具で丁寧に削り取り、下地を平滑に整える作業です。

この工程を怠ると、新しい防水層が下地に密着せず、施工後の剥離の原因になります。浮きや脆弱な部分を一つひとつ丁寧に処理することで、次の工程へと進む準備を整えました。

4. 層間プライマー塗布:密着性を高める

ケレン清掃が完了した後、層間プライマーを塗布しました。このプライマーは、既存防水層と新しい防水層を強固に結びつけるためのものです。

ALC造の建物は吸水性が高いため、プライマーを均一に塗布することで湿気の吸い込みを防ぎ、防水層の密着性を高めます。ローラーを使って塗りムラが出ないよう丁寧に作業しました。

5. 入隅シーリング:接合部の補強

屋上の立上り部分と平場の接合部(入隅)は、防水層に最も負荷がかかる箇所です。この部分にポリウレタン系のシーリング材を使い、隙間を埋めると同時に補強を行いました。

膜厚の違いによる破断を防ぐ目的で、丁寧に施工しました。この工程により、防水層全体の耐久性が向上します。シーリング作業は、細かい部分まで気を抜かないことが重要です。

6. 改修用ドレン(鉛ドレン)の設置

既存のドレンを取り外し、新たに改修用鉛ドレンを設置しました。この工程では、旧防水層と新設防水層の排水機能を分離するための処理を行います。

ドレン周囲に補強クロスを貼り付け、密着性を高めました。また、雨水が滞留しないように勾配を調整し、排水機能を確保しました。これにより、排水口周辺の防水性が強化されました。

7. 平場層間プライマー塗布:新設防水層の基礎作り

改修ドレン設置後、平場全体に専用プライマーを塗布しました。このプライマーは、新しい防水層が下地にしっかり密着するようにする役割を果たします。

塗り残しやムラが発生しないように、ローラーで丁寧に塗布しました。この工程での仕上がりが次の工程に影響するため、慎重に作業を進めました。

8. 立上り裏単塗布:雨水の侵入を防ぐ

次に、6インチローラーを使い、立上り部分にウレタン塗膜を裏単で塗布しました。この工程では、膜厚を均一に保ちながら、立上り部分と平場を一体化させます。

立上り部分は雨水が侵入しやすい箇所であるため、特に丁寧な施工が求められます。この作業により、防水層全体の防水性能がさらに向上しました。

9. 改修ドレン端末処理:補強クロスの貼り付け

その後、改修ドレン周囲に補強クロスを貼り付けました。これは、ドレン周辺が雨水の圧力や荷重に耐えられるようにするための工程です。

クロスがしわや浮きが出ないよう注意しながら貼り付け、その上にウレタンを重ね塗りして密着性を向上させました。この工程をしっかり行うことで、排水口が長期間安定した性能を発揮できるようになります。

ここまでの工程と合わせて、ウレタン塗膜防水の仕組みを紹介している動画がありますので、ご覧いただけますと幸いです。

【前編まとめ】

今回のブログでは、劣化した防水層を撤去し、下地処理から補強までを入念に進めました。

ALC造の建物特有の吸水性や既存防水層の劣化状況を考慮し、細部まで丁寧に施工することで、次の工程にスムーズに進むことができます。後編では、ウレタン塗膜防水の本体作業と最終仕上げをご紹介します。

防水工事を検討されていて、わからないこと、ご相談などありましたら、些細なことでも構いません、お気軽にご連絡ください。

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