横浜市・RC3階建て築11年の屋上防水工事~アスファルト防水からトーチ工法への施工ブログ【第二回】

前回の記事では、屋上防水工事の「調査~既存防水層の撤去」までの工程をご紹介しました。今回は、その続きとして「プライマー塗布~新規ドレン設置」までの具体的な作業内容を解説していきます。
防水工事の重要なポイントである下地処理や防水層の増し張り、排水設備の設置方法について詳しく見ていきましょう。
1. プライマー塗布:下地との密着性を高める
プライマーは、新しい防水層と下地を密着させるために必要不可欠な下地材です。今回の施工では、既存のアスファルト防水層を部分的に残した状態で「単層張り工法」を採用しているため、プライマーを塗布する範囲の確認が特に重要となります。
プライマーは刷毛やローラーを用いて均一に塗布しますが、塗りムラがあると防水層が浮く原因となるため、細部まで丁寧に仕上げます。また、施工中の気温や湿度も影響するため、乾燥時間を十分に確保することがポイントです。この工程を正確に行うことで、後の防水層の性能が大きく向上します。

2. GLテープ貼り:仮防水と補強の役割
プライマーが乾燥した後、GLテープを貼り付けます。このテープは仮防水の役割を果たすと同時に、入隅や角部といった防水が弱くなりやすい箇所を補強するためにも使用されます。
特に今回のように入隅(立上りと床の接点部分)やドレン(排水口)周辺では防水性能を確保するため、テープを転圧ローラーで圧着させながら施工します。また、テープの重ね代(約150mm)を確保することで、水の侵入を防ぐ連続した防水面を作り上げます。
また、立上り部分と外壁が接する立上り部分は、雨水の侵入リスクが特に高い箇所です。GLテープを接合部に貼り付けて防水層の強度を向上させることで、経年劣化や建物の動きによる防水層の亀裂を防ぎます。

3. 既存防水材の撤去と根本部分のシーリング充填
次に、既存防水層の一部をスクレーパーやカッターで撤去し、根本部分にシーリング材を充填します。この工程では、完全撤去せず必要最小限の箇所のみを処理します。特に排水口周りや立上り部分など、防水の重要ポイントを重点的に作業することで、現場状況に応じた効率的な改修を行います。

シーリング材は、施工箇所の隙間を埋めて防水層の一体化を図るために使用され、次の工程でプライマーや防水材を施工する際の下地を整える役割を果たします。

4. 増し張り:防水層の強化
この段階で、新しい防水層を増し張りする工程に入ります。増し張りとは、既存防水層の上に新しい防水シートを重ねて貼る工法のことです。
まず、シートを所定の位置に敷き、既存の防水層と新規のシートを接着していきます。接着後は転圧ローラーで圧着し、空気が残らないよう注意深く施工します。この工程では、下地や既存層のコンディションに応じて力加減を調整することが重要で、経験豊富な職人の腕が問われます。

5. 排水口の座彫り作業と撤去
排水口(ドレン)は屋上防水の要であり、排水の効率性と防水性を確保するための重要な部分です。この工程では、既存の排水口周りの古い防水層を剥がして座彫り(周辺を浅く削る作業)を行います。

この座彫りは、新規ドレンを設置する際に防水材との密着性を高め、雨水の流れをスムーズにするために行われます。その後、劣化した既存のドレンを撤去し、新しいドレンの設置準備を行います。

6. 立上り部分へのプライマー塗布と仮防
立上り部分は雨水が溜まりやすい箇所のため、特に慎重な防水施工が必要です。この工程では、まず立上り部分にプライマーを塗布し、乾燥後にGLテープを使用して仮防水を施します。

この作業では、入隅や角部に注意を払いながら施工を進め、全体の防水性能を高めます。入隅部分には補強材を追加で使用し、強度を高める処理を行います。

7. 新規ドレンの設置
排水効率を向上させるため、座彫り作業が完了した箇所に新規ドレンを設置します。新しいドレンは防水層と一体化する設計となっており、水漏れのリスクを大幅に軽減できます。この作業では、まずドレンの位置を正確に調整し、金槌で固定します。

固定後、ドレンの周囲にGLテープを貼り接着します。接着時にはドレンと防水層が確実に密着するよう、転圧ローラーでしっかりと圧着させます。この工程により、排水口周りの防水性能が格段に向上します。
排水口周辺(ドレン部)は、屋上の中でも水が集中する箇所であり、負荷がかかりやすい部分です。GLテープを使用して排水口周辺を補強することで、防水層の耐久性を高め、長期にわたって排水機能を維持することが可能です。

弊社で工事させていただいた屋上防水の工程をまとめた動画がありますので、こちらも合わせてご覧いただけますと幸いです。
今回のまとめ
横浜市のような都市部では、建物の屋上は紫外線や雨風、大気汚染物質の影響を受けやすく、経年劣化が早く進行します。特に排水設備である「ドレン」の劣化や詰まりは、水たまりを引き起こし、防水層の劣化や雨漏りの原因となるため、定期的な交換や補修が不可欠です。
また、立上り部分(屋上と外壁の境界部)は雨水の侵入リスクが高いため、丁寧な補強施工が重要です。
弊社では、これらの劣化リスクを踏まえ、高耐久性のウレタン防水材を使用した施工や、耐食性に優れたドレンの交換を行い、都市部の建物に最適な防水工事をご提案しています。豊富な実績と高度な技術で、施工後の長期的な防水性能を確保し、安心の仕上がりをお届けします。
屋上の水たまりやひび割れなどが見られる場合は、早めの対応が建物を守る鍵となります。防水工事をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
次回の記事では、「膨れ潰し作業~全面トップコート」までの工程をご紹介します。仕上げ工程に向けた最後のプロセスをどうぞお楽しみに!