屋上の防水対策を強化!ALCビルで採用したウレタン塗膜防水のメリットと施工内容とは【その3】

今回は横浜市内の築13年の建物においてウレタン防水工事を実施した工事内容の最後の工程である「ウレタン防水工事」における最重要工程ともいえる、ウレタン塗布のプロセスについて掘り下げてお話ししていきます。ウレタン防水材は液体状の材料を塗り広げ、乾燥させることで防水層を形成する、非常に高い密着性と柔軟性を誇る工法です。
今回は、それぞれの施工ポイントや現場のリアルな声を交えながら、プロの視点で詳しく解説していきます。ウレタン防水の特徴や仕上がりの美しさ、そして注意すべき点についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください!
1.平場ウレタン塗膜防水一層目の塗布
ウレタン塗膜防水の施工現場では、カタログやマニュアルに記載されている順序が基本とはいえ、実際の工事ではその場の状況や効率を考慮して進められることが多いです。この工程では、特に「ジョイント部分」に注目して施工が行われます。
例えば、ジョイント部だけが先に塗られているのをご覧になったことはありませんか?これは「捨て塗り」と呼ばれる工程で、通常、防水層を平滑に仕上げるために行われます。この作業を先行して行うことで、ジョイント部分に生じやすい凹凸や段差を解消し、後続の層をスムーズに仕上げることができるのです。この「捨て塗り」をすることで、特にテープの上にできる段差を抑えられるため、最終的な防水層が美しく均一に仕上がります。

また、現場では施工効率を上げるため、作業のスケジュールを柔軟に調整しています。例えば、前日や午前中にジョイント部分を先に仕上げておくと、午後には完全に乾燥した状態で次の工程に進めることができます。このような工夫が現場では欠かせません。
実際に施工を進める職人の間では、「午前中にジョイントだけを仕上げて、午後は平場全体の一層目を一気に塗る」といった計画もよく採用されます。
ジョイント部分の処理は細かい作業が求められるものの、防水層全体の仕上がりに大きな影響を及ぼします。特に立ち上がり部分や角部の処理を併せて行うと、より効率的に作業を進められます。こうした細部への配慮が、防水工事の完成度を大きく左右するのです。
工事現場では、この「捨て塗り」作業に使う材料や道具も重要です。ウレタン材の選定だけでなく、刷毛やコテ、ローラーといったツールの使い分けもポイントとなります。現場では、専用の緑色の刃(主にヘラ)を用いてジョイント部分を丁寧に仕上げています。この「緑の刃」が適切に使われることで、余分な材料を削り取りつつ、段差のない滑らかな仕上がりを実現します。
現場での実際の作業を見ると、こうした一つひとつの細やかな配慮が、全体の防水層のクオリティを支えていることがよくわかります。たとえカタログ通りに進めるのが理想だとしても、現場の状況に合わせて柔軟に対応するのが職人の腕の見せ所と言えるでしょう。
平場のウレタン防水の塗布工程に入る前に、必ず下地の確認を徹底します。平場部分(建物の水平な箇所)では、下地が滑らかで、ほこりや油分が完全に除去されていることが成功のカギです。ここで怠ると防水層がしっかり密着せず、後々の剥離や劣化の原因になってしまいます。
工事現場では、熟練の職人たちが「どれだけ下地を整えるかが、施工の成否を決める」と言います。この準備が重要です。

液体状のウレタンをローラーやヘラを使って、均一な厚みで塗り広げていきます。このとき、重要なのが硬化速度と天候の管理です。
特に梅雨時期や夏の湿度が高い日には、ウレタンが予定よりも早く硬化することがあります。一方、冬の寒冷時期では硬化が遅れるため、硬化剤の調整が求められます。このように天候と気温に応じて材料の混合比を微調整し、最適な塗布状態を作るのがプロの技術です。
また、作業のポイントとしては、平場部分では端部や排水溝周りの処理が特に注意点です。水の流れを意識し、排水溝に向かう勾配をしっかり確保しつつ、防水材を切れ目なく塗り込むことで、水漏れリスクを最小限に抑えます。
2.平場ウレタン塗膜防水二層目の塗布
ウレタン防水工事において、二層目の塗布は非常に重要な工程です。一層目で作られた防水膜をさらに厚く、強靭に仕上げるため、二層目の塗布では素材の均一な重ね塗りが求められます。この積層によって、耐久性と防水性能が飛躍的に向上します。
現場では、一層目がしっかりと乾燥したことを確認したうえで、二層目のウレタン材を塗布します。一層目が十分に乾燥していない状態で二層目を塗布すると、防水層内で不均一な硬化が生じ、剥離や膨れの原因になるため、施工スケジュールの調整が大切です。この段階での乾燥確認は、施工品質を左右する非常に重要なポイントです。
実際の現場では、二層目の塗布には一層目と同じウレタン材を使用します。これにより、層間の密着性が高まり、一体化した防水層を形成できます。一層目の塗布では下地の凹凸や微細な隙間を埋める役割が大きかったのに対し、二層目では防水膜を強化し、厚みを均一にする役割が主となります。
この厚みの調整には、職人の熟練した技術が必要です。ウレタン材の粘度や気温、湿度に応じて、刷毛やローラーを使い分けながら慎重に塗布を行います。
また、二層目の塗布では、平場だけでなく、立ち上がりや端部の処理も細心の注意を払って行います。特に角部やジョイント部分は防水層が剥離しやすい箇所であるため、追加で材料を盛ることで厚みを持たせ、耐久性を確保します。現場では、「隅々までムラなく」という意識が重要で、職人たちは手を抜くことなく施工に集中しています。

この工程では、塗布後の乾燥時間も計算に入れて作業が進められます。通常、気温や湿度によって乾燥時間は変動しますが、適切なタイミングで乾燥を待つことで、次の工程である「トップコート」の準備を万全にすることができます。特に二層目の乾燥が不十分だと、トップコートの密着性が低下し、耐久性に悪影響を与えるため、現場では乾燥状況を丁寧に確認します。
工事の流れとしては、二層目の塗布を終えた後、全体の乾燥を待ってから最終的な仕上げとなるトップコートに移行します。このトップコートは、防水層の表面保護を担い、紫外線や摩耗による劣化を防ぐために欠かせない工程です。最終仕上げに向けて、ここまでの工程がいかに丁寧に行われたかが、防水工事全体の品質に直結するのです。
現場での感想を交えると、二層目の塗布は一見単純な作業に思えますが、実際には職人の経験や技術が試される場面が多く、「ここで手を抜けば後でツケが回ってくる」といった緊張感が漂う瞬間でもあります。全体を通して均一な厚みを保つためには、職人同士の連携や細かな配慮が不可欠です。この積み重ねが、建物を長く守る防水層を作り上げる鍵となります。
3.ウレタン防水とエアコン配管・備品の取り扱い
ウレタン防水工事では、平場や立ち上がりなどの施工がメインとなる一方、エアコン配管や固定具、室外機の台座など、施工対象エリアに存在する障害物への対処が重要なポイントになります。これらの備品が正しく処理されない場合、防水層が損傷を受けたり、仕上がりの美観が損なわれたりするだけでなく、長期的には防水性能そのものを低下させるリスクもあるのです。
実際の施工現場では、エアコン配管は複雑な形状であることが多く、柔軟性のある素材でできているため、取り扱いには特に注意が必要です。施工中に防水層を塗布する際、配管が塗料の邪魔にならないよう一時的に持ち上げるか、保護材で包む方法が採用されます。防水材が配管に直接付着すると、見た目だけでなく後々のメンテナンスや修理時に問題が発生する可能性があるため、慎重な作業が求められます。
また、エアコン配管が立ち上がり部分に接している場合、防水材の重ね塗りの際に隙間が生じやすくなることがあります。そのため、ジョイント部分や隙間には専用のシーリング材を使用して埋める作業が必要です。ここで適切な材料を使用し、十分な厚みを持たせておくことで、雨水の浸入を防ぐだけでなく、経年劣化によるクラックの発生も抑えることができます。

エアコンの室外機やその固定台座、アンテナ基台などの備品が施工対象エリアにある場合、これらが防水層に与える影響を最小限に抑えることが求められます。例えば、室外機が防水層に直接置かれている場合、台座の形状に応じて部分的に防水材の厚みが変わってしまい、その部分からの漏水リスクが高まります。そのため、室外機の下にはゴム製の足置き台やスペーサーを設置して、荷重を分散させつつ防水層を保護する対策を取ります。
また、備品の固定部やボルト穴も特に注意が必要なポイントです。これらの箇所は、水が浸入しやすい「弱点」となるため、防水材や専用の補強パッチで周囲をしっかりと処理します。施工後も点検がしやすいよう、固定部を目視で確認できるような仕上げを行うことが現場では心掛けられています。
現場では、障害物の多さに応じて作業工程を柔軟に調整することもあります。たとえば、平場全体の塗布を一度に行うのではなく、配管や備品周辺を先に塗布してから他のエリアを進めるといった方法が取られます。この順番を工夫することで、塗布作業の効率を上げるだけでなく、防水層の仕上がりを均一に保つことが可能となります。
また、施工中には、エアコン配管や室外機周辺に足場や道具が当たってしまうリスクもあるため、養生が徹底されます。現場では、「ちょっとしたぶつかりが、完成後のクレームにつながる」と言われるほど、施工中の細やかな注意が品質に直結します。そのため、養生材の選定や配置にも気を配り、防水層の保護を最優先に考えた作業が行われます。
実際に施工を進める中で、エアコン配管や備品への対応が防水工事全体の完成度に大きく関わると感じます。一見、主要な施工エリアではないこれらの箇所も、雨水の浸入口になる可能性が高く、職人として見逃せないポイントです。特に「細かい箇所こそ後々のトラブルにつながる」という意識が、現場では常に共有されています。
ウレタン防水工事は、建物を長く守るための重要な作業ですが、その品質を確保するには、目に見えない部分や小さな障害物にもしっかりと対応することが必要です。エアコン配管や備品の取り扱いにおいても、丁寧な処理が最終的な防水性能に直結するため、こうした細かな工程にも手を抜くことはできません。
4.平場トップコート塗布
ウレタン防水の施工において、トップコートの塗布は、防水工事の仕上げとなる重要な工程です。この工程は、これまで積み重ねた防水層を紫外線や雨風から守り、さらに耐久性や美観を向上させる役割を担っています。実際の施工現場では、防水層の状態や建物の構造に応じて、使用する材料や手法が調整されるため、柔軟な対応力が求められます。
トップコートの塗布では、まず使用する材料の選定が重要です。この工程で使用されるトップコート材は、基本的にウレタン防水層と相性が良いものが採用されます。一般的には、耐久性を高めるための高品質なポリウレタン塗料や、色褪せ防止のための遮熱性塗料などが選ばれます。また、建物の用途や環境条件によっては、摩耗に強い材料や、特殊な機能を持つコーティング材を使用することもあります。
トップコートの素材選びには、下地や既存の防水層の種類が影響します。例えば、床がシート防水の場合にはトップコート材が異なる場合があり、モルタル下地やコンクリート下地の場合でも、選択する材料が変わります。職人としては、現場ごとの条件をしっかりと把握し、その建物に最適な素材と施工方法を判断する必要があります。
現場では、「きめつけて喋れない」という職人の言葉が象徴的ですが、これはまさに一つの基準だけで進められない難しさを物語っています。

トップコートの塗布では、平場全体に均一に材料を広げることが重要です。この作業がムラなく行われないと、部分的に厚みが異なり、そこから劣化が進む恐れがあります。現場では、ローラーや刷毛を使用して細部まで丁寧に塗布が進められます。特に立ち上がり部分や角部などの「弱点」となりやすい箇所は、職人が慎重に材料を盛り付けながら塗り進めます。
トップコート塗布の工程では、気温や湿度などの環境要因が作業に影響を与えるため、状況に応じた対応が求められます。例えば、気温が高い日は乾燥が早く進むため、塗布の速度を調整しながら均一な仕上げを目指します。一方で、湿度が高い日は乾燥に時間がかかるため、後続の工程に進むタイミングを慎重に見極める必要があります。職人たちは常に「防水層の仕上がりが建物を守る生命線」という意識を持ちながら作業を進めています。
トップコートの塗布がうまくいくかどうかは、それまでの下地処理や防水層の状態にも大きく依存します。一層目、二層目と積み上げてきた防水層がきちんと硬化し、滑らかに仕上がっていることが前提です。もし下地に凹凸や気泡が残ったままだと、トップコートの仕上がりに影響を与えるだけでなく、そこから水が浸入するリスクも生じます。
職人たちは、トップコートを塗布する前に防水層の表面を再度チェックし、必要に応じて微調整を行います。この細かい確認作業によって、防水層とトップコートが一体化し、剥離やひび割れが起きにくい強固な層を作り上げます。現場では、「見えなくなる部分にこそ手をかける」という精神で、一つひとつの工程が丁寧に進められています。
トップコート塗布が完了すると、ウレタン防水工事としての大きな工程が終了し、建物が雨水から守られる防水層が完成します。施工後の現場を見渡すと、防水層の表面が均一な艶を持ち、美しく仕上がった状態に仕上がります。この瞬間は、職人としても達成感を感じる場面です。
ただし、トップコートはあくまで防水層を保護するための仕上げ材であるため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。特に紫外線や温度変化が激しい環境では、トップコートが劣化する可能性があるため、定期的な再塗布を行うことで、防水性能を長く維持できます。
現場で感じることとして、防水工事は建物の構造や使用状況に応じて細かく対応を変える必要があり、一つとして同じ工事はありません。しかし、それぞれの現場での経験が次の施工に生きてくるという点で、職人としての成長を実感できる仕事でもあります。「防水工事は地味だけど重要」という言葉があるように、細かい作業の積み重ねこそが、建物を長く守る大切な基盤を作り上げるのです。
ここで弊社が施工した屋上防水工事の動画をご紹介いたします。合わせてご覧いただけますと幸いです。
5.施工後の仕上がりについて まとめ
今回の防水工事によって形成された防水層は、全体的に均一で滑らかな仕上がりを実現しました。平場部分はトップコートがムラなく塗布されており、適切な厚みと光沢が確認されています。これにより、防水層全体が紫外線や摩耗からしっかりと保護され、耐久性が大幅に向上しました。
立ち上がり部分や隅部、ジョイント部といった漏水リスクの高い箇所も入念に処理を施し、隙間や不備がない状態に仕上げています。こうした細部の処理が、防水層全体の性能を支える重要な役割を果たします。また、配管や設備周辺の複雑な箇所についても、専用のシーリング材やテープを使用して確実に密着させることで、隙間なく仕上げられています。
特に、通気層を設けた部分では湿気を逃がす構造が確保されており、防水層内部に膨れや剥離が発生するリスクが低減されています。この仕組みによって、長期間にわたり安定した防水性能が期待できます。また、排水ドレイン周辺も適切に処理されており、雨水の流れがスムーズで排水機能が十分に保たれています。

施工後の防水層は、以下のような性能を備えています。
- 高い防水性
- 防水層全体が隙間なく仕上がっており、雨水の浸入を完全に防ぎます。特に立ち上がりやジョイント部分など、漏水リスクの高い箇所でも、入念な処理が行われています。
- 耐久性の向上
- トップコートが防水層を保護することで、紫外線や摩耗による劣化を防ぎます。これにより、防水層自体の寿命が延び、建物を長期間にわたり保護できます。
- 湿気対策
- 通気層を設けたことで、湿気が防水層内部にたまらず、膨れや剥離のリスクを低減しています。これにより、施工後も安定した状態を維持できます。
- 排水機能の確保
- ドレイン周辺の処理が適切で、雨水の排水がスムーズに行われます。これにより、防水層に余計な負荷をかけず、建物全体の防水性能がさらに向上しています。
- 長期的なメンテナンス性
- 万が一、補修が必要になった場合でも、施工箇所がわかりやすく、再施工が容易に行える設計となっています。
防水工事は、ただ防水層を作るだけではなく、下地の確認から材料選定、仕上げ、そしてアフターメンテナンスまで一貫した工程が必要となります。
素材や環境、建物の構造に応じた最適な施工を行うことで、建物の寿命を延ばし、安全で快適な空間を提供できるのです。職人の経験と技術が試される現場の連続であり、その確実な手仕事が、防水の成功を支えていると言っても過言ではありません。
弊社では、お客様の建物が安心して長く使えるよう、全力でサポートいたします。
ぜひ専門家の知識と技術をご活用いただき、建物の価値を守るお手伝いをさせてください。どんな些細な疑問や不安も、ぜひお気軽にご相談ください。