築27年川崎市のビル改修工事 狭い場所でも丁寧に仕上げる外壁クラック補修の施工事例
今回は川崎市内で行ったビル改修工事の一環として、ベランダ外壁に発生したクラック補修の様子をご紹介します。補修箇所は足場はあるものの手元のスペースが限られ、体勢も安定しにくい場所での作業になります。こういった環境では、通常のクラック補修以上に「丁寧さ」と「正確さ」が求められます。作業しにくいからこそ、一つひとつの工程を確実に積み重ねていくことが重要になります。
現地調査と劣化状況の確認
最初に行うのは現地調査です。今回のクラックはベランダ外壁の入隅や端部に発生しており、建物の動きや温度変化による伸縮の影響を受けやすい位置でした。特にビルの場合、躯体の規模が大きいため、わずかな動きでもこうした部分に応力が集中しやすくなります。
また、ベランダ下は雨水の影響を受けやすく、防水層との取り合いも重要なポイントです。見た目だけで判断せず、クラックの深さや広がり、周囲の状態を総合的に確認し、適切な補修方法を選定します。

Uカット作業
次に行うのがUカット作業です。ディスクグラインダーを使用し、クラックに沿って溝を設けていきます。一見するとそのまま埋めた方が簡単に思えますが、それでは表面的な補修にとどまり、再発のリスクが高くなります。
Uカットを行うことで、シーリング材や樹脂モルタルがしっかり入り込むスペースを確保し、密着性と耐久性を高めます。今回のように作業スペースが限られている現場では、工具の扱いにも注意が必要で、少しのズレが仕上がりに影響します。慎重に進める場面のひとつです。

清掃
Uカット後は、溝の内部や周囲に残った粉塵や細かなゴミをしっかり清掃します。この工程はシンプルですが、とても重要です。粉塵が残ったままだと、後に充填する材料の密着不良につながる可能性があります。
特に今回のような狭く作業しづらい場所では、清掃が不十分になりやすいため、刷毛やブロワーを使いながら丁寧に取り除いていきます。こうした一見地味な作業こそが、補修の品質を支える大切なポイントになります。

プライマー塗布一回目
清掃後はプライマーを塗布します。これは下地とシーリング材の接着性を高めるための工程です。コンクリートやモルタルの表面には細かな気孔があるため、そのままでは十分な密着が得られません。プライマーを塗り込むことで、材料同士をしっかり結びつける役割を果たします。狭い箇所での作業となるため、塗り残しがないように確認しながら丁寧に施工していきます。

シーリング材充填
続いてシーリング材を充填します。コーキングガンを使い、クラックの奥までしっかりと材料を押し込んでいきます。このとき、空気が入らないようにすることが重要です。作業しにくい環境では手元の感覚が頼りになるため、慎重さが求められます。
シーリング材は弾性を持っているため、建物の微細な動きにも追従し、防水性を確保する役割を担います。見えない部分ですが、非常に重要な層となります。

プライマー塗布二回目
シーリング材の施工後、もう一度プライマーを塗布します。これは次に施工するエポキシ樹脂モルタルとの密着性を高めるための工程です。異なる材料同士をしっかり一体化させることで、剥離や浮きといった不具合を防ぎます。工程を省略せず、材料ごとに適した処理を行うことが、長持ちする施工につながります。

エポキシ樹脂モルタル成形
最後にエポキシ樹脂モルタルで成形を行います。この材料は強度と接着性に優れており、外壁の補修に適しています。シーリング材の上から被せるように施工し、表面を平滑に整えていきます。
周囲の外壁と違和感が出ないように仕上げることはもちろん、雨水の流れも意識しながら形を整えます。作業スペースが限られている中でも、細部まで気を配りながら丁寧に仕上げていきます。

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作業しにくい場所ほど基本の丁寧さが活きる
今回の川崎市でのビル改修工事では、決して広くない作業スペースの中で、精度の高いクラック補修が求められる現場でした。工程自体は特別なものではありませんが、それぞれをどれだけ丁寧に行うかが仕上がりを左右します。
特にベランダ外壁のような環境では、防水層との関係性や雨水の影響も考慮しながら施工することが大切です。見えにくい部分ではありますが、こうした積み重ねが建物全体の耐久性につながっていきます。
外壁のひび割れは小さなサインですが、放置すると大きな不具合につながることもあります。気になる症状があれば、早めの点検と対応をおすすめします。現場ではこれからも、無理のない丁寧な施工を心がけていきます。

