築20年の屋上を守る!川崎市で行ったウレタン防水工事の全貌【後編】

前編では、屋上防水工事の調査や下地の調整、入隅シーリング、笠木撤去までの工程を解説しました。本後編では、ウレタン塗膜防水の塗布工程から最終仕上げまでを詳しく見ていきます。
今回採用した「ウレタン塗膜防水」は柔軟性に優れた防水方法であり、複雑な形状の屋上にも適応可能です。それでは続きの工程を追いながら、防水工事の完成までをご紹介します。
1.立上り部のウレタン塗装塗布(K材)
まず、立上り部分にウレタン防水の下塗り材である「サラセーヌK材」を塗布しました。K材は高い柔軟性を持ち、下地への密着性を向上させる役割があります。特に、立上り部は水がたまりやすく、漏水リスクが高い箇所であるため、厚みを均一に仕上げることが求められます。
施工ではローラーと刷毛を使用し、塗膜のムラが出ないよう慎重に作業しました。また、端部や入隅には特に注意を払い、確実に塗布を行いました。この工程で下地とウレタン塗膜の一体化が進み、防水層の性能を高めます。

2.立上り部のウレタン防水塗布(A材)
次に、立上り部分に上塗り材である「サラセーヌA材」を塗布しました。A材はK材よりも強度が高く、立上り部の防水層全体の耐久性を大幅に向上させます。この工程では、先に塗布したK材がしっかり乾燥してから行うことがポイントです。
塗布後、A材は短時間で硬化するため、作業は効率的かつ迅速に行われました。最終的に、立上り部全体が均一で滑らかな塗膜に仕上がりました。この段階で、立上り部の防水層は完成となります。

3.立上り部の補強クロス施工
立上り部の防水性能をさらに高めるために、ジョイント補強クロスを施工しました。このクロスはウレタン層の間に挟み込む形で配置され、補強材として機能します。特に、笠木復旧後のジョイント部分での防水性能向上を目的としています。
クロス施工後は、再度ウレタン塗料を上塗りして、クロスと塗膜を一体化させました。この「補強クロスをサンドする」工程が、立上り部の強度と耐久性を格段に向上させます。

4.平場のウレタン防水塗布(K材)
次に、平場部分にK材を塗布しました。平場は屋上防水の中心的な箇所であり、面積が広い分、施工の均一性が求められます。ローラーと金鏝(かなごて)を併用し、丁寧に塗布を進めました。
K材の塗布では、施工面の凹凸を滑らかにするため、特に転圧ローラーを使用して仕上げました。この工程は防水層全体の密着性を確保する基盤となるため、重要な作業です。

5.平場のウレタン防水塗布(A材)
平場部分にA材を塗布しました。この工程では、ウレタン防水の「ES工法(現GM工法)」を採用しており、K材を2回塗布するのではなく、2回目にA材を使用することで高強度な仕様に仕上げています。この方法は、従来の塩ビシート工法の応用として設計されたもので、柔軟性と耐久性を両立しています。
A材の塗布は、特に均一な厚みを確保することが重要です。施工では、平場全体をローラーで丁寧に仕上げ、継ぎ目や接合部が目立たないように工夫しました。

6.遮熱トップコート塗布
最終仕上げとして、遮熱トップコート(ライトグレー)を塗布しました。このトップコートは、防水層の保護と同時に遮熱性能を付加する役割があります。遮熱トップコートを施すことで、屋上の表面温度を低下させ、室内温度の上昇を抑える効果が期待できます。
施工では、特に表面の仕上がりに注意を払い、ムラなく塗布を行いました。この工程により、屋上全体が明るいライトグレーの遮熱トップで仕上がり、美観性も向上しました。

7.笠木復旧と最終確認
最後に、撤去していた笠木を元通りに復旧しました。この作業では、笠木を固定する金具が適切に取り付けられているか確認し、防水層を傷つけないよう慎重に行いました。また、最終的な防水層全体の状態を確認し、漏水リスクがないことをチェックしました。
施工後、屋上全体を検査し、問題がないことを確認して工事完了となりました。遮熱トップコートによる仕上がりは見た目も美しく、住人や利用者に安心感を与える仕上がりとなりました。

施工後

合わせてご覧いただきたい屋上防水動画のご紹介です
あとがき(後編)
ここまで、防水工事の全工程を解説しました。今回の施工では、ウレタン塗膜防水のES工法(現GM工法)を採用し、下地補強から遮熱トップコートによる最終仕上げまで、丁寧な施工を行いました。建物の長寿命化と快適な居住環境を実現するために、最適な工法を選択し、確実な施工を心がけました。
この記事が、防水工事の流れや重要性を理解する一助になれば幸いです。
また、屋上防水工事を検討されている方にとって、有益な情報となることを願っています。防水工事は建物の寿命を大きく左右する重要な作業です。適切な施工と定期的なメンテナンスで、建物の安全性と快適性を保っていきましょう!
防水の事、雨漏りの事でお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。お力になれる最善のご提案と最良の施工をさせていただきます。