横浜市でウレタン防水工事を検討している方に伝えたい配管不良と雨漏り対策の実例

横浜市港北区にある築36年・RC造3階建ての建物にて、屋上のウレタン塗膜防水工事を行いました。きっかけは、オーナー様からの「駐車場に雨漏りがあるみたいで……」というご相談。2階ベランダの下がちょうど駐車スペースになっており、雨のたびにしみ出す水に長年お困りだったそうです。

以前の施工は、オーナー様の知人に頼んで行ったものでしたが、詳しく調査してみると、想像以上に不具合がありました。「前に頼んだ業者が知り合いだったから、そこまで気にしてなかったんだけど……」と、オーナー様も当時を振り返っていらっしゃいました。

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調査で明らかになった“前施工”の落とし穴

まず気になったのが、2階ベランダの排水周り。竪樋のサラ(ドレンカバーのような部材)が固定されたままウレタンが流されていて、水がきちんと流れない構造になっていました。本来であれば、ビスを緩めてサラを持ち上げ、ウレタンを下までしっかり流し込むのが正しい方法。それがされていなかったことで、水が逃げ場を失い、漏水につながっていたのです。

施工前排水周り

また、既存のウレタン塗膜も、ところどころ膨れや浮きが発生しており、防水層としての機能が弱まっていました。切り込み跡など、施工中の雑な処理も多く見受けられ、「これは……きちんとやり直した方が良さそうですね」とオーナー様にもお伝えしました。

そこからは、ひとつひとつオーナー様とご相談しながら、どの範囲をどう直すのか、費用とのバランスも含めて慎重に施工方針を決めていきました。

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2階ベランダには、改修用ドレンを新設

通常、ベランダにはあまり用いない改修用ドレンを、今回はあえて採用しました。というのも、既存の排水設備が老朽化しており、劣化や水の逆流が起きていたためです。現場で状況を見ながら、「この状態なら、ドレンそのものをやり直した方がいい」と判断し、新設へ。

その際、ドレン周囲は入念にケレンし、ガラスクロスでの補強、専用接着剤による端末処理など、目に見えない部分ほど丁寧に仕上げています。さらに、作業中は室外機を一時的に吊るして浮かせることで、補修跡が残らないよう工夫。現場のちょっとした気遣いが、見た目や使い勝手にも直結します。

ベランダ防水は、密着工法で根本から改修

ベランダについては、既存のウレタン塗膜を一度全て見直し、密着工法によって新たに防水層を形成することに。まずは全体を清掃し、古い防水層の不具合箇所を徹底的にチェック。入隅部には「捨てシール(予備シーリング)」を打って、立上りとの段差による割れを防ぐ処理を加えました。

そして、ウレタン塗布前には用途に応じた専用のプライマーをしっかり塗布。この一手間が、密着力や防水性能を大きく左右するため、見えない工程でも手を抜きません。

立上り部分や平場のウレタン塗布は、それぞれローラーのサイズを変えながら厚みを均一に整え、2層に分けて仕上げます。「狭いところは2インチローラーで、広い平場は6インチで一気に」と、職人たちが場所に合わせて使い分けている姿は、まさに職人技そのものでした。

細部への気配りが、防水のもちを左右する

トップコートの工程でも、細かい部位は刷毛で入隅までしっかり塗り込み、全体の美観と耐候性を高めています。「こういうところを丁寧にやるかどうかで、5年後、10年後に差が出るんですよ」と語る職人の言葉が印象的でした。

また、排水まわりの処理にも特に注意を払い、ドレンの接合部や取り合い部にはガラスクロスによる補強を行い、その上からウレタンを密着させて施工。小さな隙間も見逃さず、再び雨水が入り込まないよう丁寧に仕上げています。こうした細やかな作業の積み重ねが、防水層の耐久性に直結するのです。

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現場ごとに正解は違う、だからこそ向き合う

最終的に、排水周りもベランダも無事に仕上がり、雨漏りは完全に解消しました。オーナー様からは「塗装職人さんにお願いしてよかった」とのお言葉をいただき、職人たちもほっとした様子でした。

今回のように、前施工の問題が原因で起こるトラブルは珍しくありません。だからこそ、私たちは現場ごとに丁寧に調査し、何が必要かを一つずつ洗い出しながら、ベストな施工方法を提案するようにしています。

防水工事は、建物を守る“縁の下の力持ち”。横浜市内で長年暮らしてきた建物に不具合が見られた際は、ぜひお気軽にご相談ください。私たち塗装職人が現場の声に耳を傾け、最善の方法をご提案いたします。

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